ケショウヤナギ Chosenia arbutifolia (ヤナギ科 ケショウヤナギ属) |
ケショウヤナギは北海道の一部(日高・十勝地方)と、本州の長野県上高地および梓川下流のみに生育する。立直する大高木で、高さ30m、径1m以上になる。一属一種の植物であり、属名のChoseniaは朝鮮半島に個体が多いことに由来する。和名は若い枝が白粉をかぶることからつけられた。 ヤナギ属やオオバヤナギ属は虫媒介なのに対し、ケショウヤナギ属は風媒介である。花には昆虫を呼ぶための腺体がなく、虫媒介から風媒介に進化したといわれる。葉は互生で葉身は長さ4〜7.5cm、幅3〜6cmの長楕円形で、全縁または細かい鋸歯がある。葉を落とした後は、枝が赤く色づく。日本では生育場所が限られているため、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種U類に指定されている。 |
文章・画像:松岡憲吾 |