ハウチワカエデ Acer japonicum (ムクロジ科 カエデ属) |
葉の形はオオイタヤメイゲツによく似ているが、葉の裂片の数(9〜11)がやや少ないことと、葉柄が葉身の長さ1/4〜1/2と短いこと、葉柄にわずかに毛が残ることなどが区別点となる。ハウチワカエデは、葉の形を天狗の団扇に例えたもの。メイゲツカエデの別名もある。
ハウチワカエデの花は5月から6月の始めにかけて咲く。長い緑色の花柄から数cmの赤味を帯びた花柄を分け、雄花と両性花を付ける(雄性同株)。花弁に見えるものは萼片であり、暗紫色で長さ6-7mm。萼の内側にある曲がったものが花弁ではないかと思う。図鑑には淡黄色であると記されているが、ここに掲載したものは萼よりも薄いものの、赤紫色である。これが花弁であるとすれば、脱落しやすいものと思われる。両性花は最初柱頭が突出し、その後急速に子房の翼が成長する。雄花の開花には時間差があるようで、おしべは8本。 |