オオモミジ Acer amoenum (ムクロジ科 カエデ属
オオモミジ Acer amoenum
オオモミジ Acer amoenumオオモミジ Acer amoenum の新葉

 オオモミジは北海道中部以南から九州にまで分布する落葉小高木。山地の森林に生育し、ブナ帯びから常緑広葉樹林帯の上部の落葉広葉樹林に生育する。庭園木としてもよく植栽される。葉は端正で美しく、通常7つ(5〜9)に掌状に分かれる。4月から5月にかけ、展葉直後に花を開く。花は紅色で、雄花と両性花が混在する。果実は1つの花に2つでき、翼があって風で散布される。

 オオモミジはイロハモミジとよく似ており、両種ともに庭園木として植栽される。両種を比較すると、オオモミジの葉がやや大きく、葉はやや厚い。イロハモミジの方が成長速度が速く、発芽率も高いようで庭の片隅などでよく自然生えがみられる。木質としてはオオモミジの方が堅くて丈夫である。ブナ帯などで自然林の構成種として生育するので、丈夫で長持ちタイプなのであろうと思う。大きく育ち、神木となっている例もある。

オオモミジ Acer amoenum脈腋に毛が少し葉裏面の拡大冬芽
オオモミジの紅葉オオモミジの紅葉全体としては黄色から橙色に

秋の紅葉は赤くはなるが深紅というよりは、全体としては橙色から黄色に見える。イロハモミジは深紅に紅葉するすることが多いので、この点は違いの1つである。混植するとコントラストが美しい。

オオモミジの花オオモミジの花オオモミジの種子オオモミジの種子

 イロハモミジとの区別点は、果実がなっている場合には、果実が水平ではなく、鈍角に開いていることで区別できるとされるが、水平に近いものもあり、これだけでは難しい。
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