エゾウメバチソウ Parnassia palustris var. palustris (ユキノシタ科 ウメバチソウ属
 スイスのお花畑を歩いていると、道端にウメバチソウが咲いていた。やや小型であるような印象があったものの、ウメバチソウの仲間であることは疑いない。調べてみると基本種である P. palustris var. palustris であり、日本の北海道・東北にも分布するエゾウメバチソウであることになる。
 スイスで出会ったエゾウメバチソウは、茎葉が目立たず、花が咲いても根出葉が残ってほとんど花茎に葉が出ないのではないかと思う。元々ウメバチソウは競争相手が少ない厳しい場所に生育するが、エゾウメバチソウも同様な立地に生育している。小さな根出葉は、牛に食べられにくいことも関係しているのかもしれない。ウメバチソウ属の仲間の区別点としては、雌しべの周囲にある仮雄しべの分裂数が重要であるが、ウメバチソウは15〜22に、エゾウメバチソウは9〜13に、コウメバチソウは7、ヒメウメバチソウは3〜5に分裂する。今回出会ったものは、9つに分裂していた。
山道の側に咲くエゾウメバチソウ(スイス、約海抜2100m)
根出葉が残るエゾウメバチソウの開花個体エゾウメバチソウの花:仮雄しべは9つに分裂
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