エノキ Celtis sinensis var. japonica (ニレ科 エノキ属
 エノキの果実は8月頃から色づくものがあり、9月から10月頃には赤褐色に熟す。直径は約6mmで、枝先に数個少し離れてつく。冬までの残ったものは、枝ごと落下するので、数cmほどの枝に数個の果実が付いたものが落ちているのをよく見かける。下の木に引っかかって、ヒサカキにこんな果実が? と思ってしまう。

 エノキの葉や枝にはよく虫こぶができる。下の画像はエノキトガリタマバエによる虫こぶ(虫えい、ゴール)である。中にはタマバエの幼虫が1匹はいっており、5月から6月にかけて虫こぶごと落下してしまうので、このような虫こぶは春の季節だけしかみることができない。エノキトガリタマバエは、エノキの新葉が展開する直前に羽化して産卵し、5月頃には幼虫は成長を終えて虫こぶごと落下して春まで休眠するわけである。虫こぶを作るのも、葉が柔らかくてフレッシュな状態でなければできないということであろう。


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