ハドノキ Oreocnide pedunculataイラクサ科 ハドノキ属
 温暖な地域の海が見える地域を歩いていると、イラクサ科に違いないとみえる樹木に出会うことがある。イラクサ科の木、コアカソが樹木に分類されることがあるが、そのような印象を持っていなかったので、イラクサ科とは思ったもののきっちりと調べることなく、未同定フォルダs-に入れておいた。このたび、屋久島で渓谷に生育していたので古い画像も掘り起こして整理することとした。

 ハドノキは伊豆諸島、静岡、和歌山、四国、九州、沖縄の段温帯・亜熱帯に自生し、谷沿いにやや稀に生育する(HM2014)。葉は長さ6〜15cmで三行脈が目立つ。裏面の脈は赤味を帯びることが多く、同定のポイントの1つ。
ハドノキ Oreocnide pedunculata

ハドノキ Oreocnide pedunculata ハドノキ Oreocnide pedunculata

雌株 果実(9月)

雄株 雄株(1月)

 花や果実も特徴的で、枝に直接花が付いており、幹生花の様相を示している。幹に直接花が咲き、果実が稔る幹生花は熱帯・亜熱帯の植物に見られるもので、これもそのようなことであろうか。雌雄異株で、花期は2月から4月。上側の雌株の画像は9月に撮影したもので、果実である。種子の下にあるゼリー状のものは花被が変化したものとの事で、種子を運搬してもらうためのお駄賃であろうか。下段の画像は1月撮影のものであり、雄株と思われる。

葉の裏面;脈が赤味を帯びる 樹幹
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