リンネソウ Linnaea borealis subsp. americana (スイカズラ科 リンネソウ属) |
カナディアン・ロッキーの公園の駐車場から登り始めると、道脇の斜面に白い小さな花が咲いていた。リンネソウであるとのこと。リンネといえば、学名である二名法を考案したスエーデンの生物学者であり、植物に関しては、非常にたくさんの記載を行っており、命名者にたくさんの名前がある。リンネが好んだ植物であるということで気にはなっていたが、思いがけぬ出会いであった。 エンゲルマントウヒなどの生育する針葉樹林の路傍、2つのほんのりと桃色がかった白い花が咲いている。群生しており、他にも見ることができることを期待してあまりシャッターを切らなかったが、結果的には1カ所で見ることができただけであった。もう少し粘ればよかったと反省。ネットでは、地面を匍匐する亜低木、自家不和合であるとのことで、近隣に他の系統が生育していない場合には、地下茎などで無性的に繁殖するわけであり、出会った1群も元は1つの個体からの群生繁茂なのであろう。葉の大きさは10mm以内、花の大きさは7-9mm。 リンネソウには3つの亜種が記録されているとのことで、ヨーロッパに分布する基本種の subsp. borealis、アジアに分布する subsp. longiflora、そして北アメリカに分布するものである。リンネが気に入っていたのはヨーロッパの基本種であり、スエーデンのことなので、身近な場所に生育していたのであろう。ここに掲載したものはカナディアンロッキーのものなので、和名をつけるとすればアメリカリンネソウといったものとなる。 |