ミヤマガマズミ Viburnum wrghtii Miq. (スイカズラ科 ガマズミ属)
ミヤマガマズミは日本全国に分布する落葉低木。岡山県においてもコバノガマズミ・ガマズミと同様に,全県下の二次林によく見られる種である。生育地に関しては,しばしばガマズミより高いところにあるという。これが名前の由来である思われるが,正確には高所というより,尾根形の地形を生育地としており,より乾燥に強い特性を持っているのではないかと考えられる(テリハガマズミとでもすれば良かったのに・・・とは波田先生談)。
下の写真の生育地は半被陰で,このような場所では,葉は平面的で,美しく広がっている。
県南のアカマツ林内や,尾根筋等の日当たりの良い場所では,葉が小さく,また幾分細く,かしげたような葉の展開である。どちらかというと,こちらの趣の方がなじみが深い。
県北には,オオミヤマガマズミ(ver. stipellatum Nakai)という変種があり,ときに見られる。葉形は,ミヤマガマズミ或いはガマズミに似ているが,葉質・色合いはコバノガマズミのような妙な種である。ミヤマガマズミとオトコヨウゾメとの雑種と推定される個体もときにみられるという。別名ケミヤマガマズミというが,こちらの名前の方がしっくりくる。