シコタンヨモギ Artemisia laciniata Willd. |
シコタンヨモギは北海道の一部に見られる多年草。礼文島と根室半島に見られ、国外では千島・樺太、中国大陸から欧州に分布する。名前は色丹蓬であり、発見された場所に由来するのだろう。 植物体は花茎を含めて高さ30cmから60cmくらい。葉は2回羽状に分かれ、ロゼット葉で長さ20cmくらい。茎葉はロゼット葉とあまり形は変わりはないが、茎の上のものほど葉柄が短く全体が小さい。葉は裂片がよく分かれて、細い葉がやや密についているように見える。 礼文島の海岸沿いに発達する草原の中に、ミヤマハンノキとシコタンヨモギが生えていた(写真左上)。海岸線の崩壊地と、草原の境界付近に生えていた。どちらかというと、安定した草地に生えるように思う。 |
文章・画像:太田 謙 |