シロヨモギ  Artemisia stelleriana Besser    (キク科 ヨモギ属
 茎は根元から地面に這うように横向きに伸び、やがて立ち上がる。そのため、茎葉はほとんど地表付近に展開している。海岸の砂浜は他に競争する植物がいないためあまり高くなる意味が無く、むしろ風の影響を避けるには地に伏すのが得策なのだろう。
 色が白く、面白みがあるためか、時々観賞用に栽培されることもある。しかし茎が直立しないでダラダラと横に広がる傾向があるので、仕立てるのは難しそうである。
 国後島を望む海岸でシロヨモギを見かけた。砂浜にはシロヨモギのほかにウンランなどもあり、良好な砂浜植生が見られた。周辺を見て回っていると、放置された廃船の物陰では、シロヨモギは背丈が倍以上も高くなっていた。やはり、風当たりが弱いに越したことはないらしい。
文章・画像:太田 謙
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