マルバルコウ Ipomoea coccinea (ヒルガオ科 サツマイモ属) |
マルバルコウソウとも呼ばれるマルバルコウは熱帯アメリカ原産の一年生草本。世界に広く帰化しており、日本でも中部以西の温暖な地に帰化している。和名は「丸葉縷紅」、英語名はRed Morning Glory, Redstar, Scarlet Starglory, Mexican Morning Glory。 花の形と色がルコウソウに似ているところから、ルコウソウ属 Quamoclit に含められていたが、サトイモ属に変更された。花の大きさは確かに似ているが、じっくり眺めると雰囲気は違い、葉は大きく異なっている。マルバルコウの葉はサツマイモになりたがっているように思えてくる。 全草無毛で葉は心形で、先端はやや長くとがる。基部が1〜2カ所で尖る傾向がある。 花は赤みを帯びたオレンジ色でトランペット型。8月の中頃から開花が目立ち始めるが、葉の下になって目立たないことも多い。1つの花には4つの種子しかできないが、次々と咲くので群落としては大量の種子を生産するのであろう。 お盆の少し前、各所で除草作業が行われ、マルバルコウも刈り取られてしまう。その跡を見て驚いた。一面のアサガオの双葉が出てきた。本葉が出てくるとマルバルコウであることがわかった。大量の埋土種子が控えているわけで、根絶は難しそう。 マルバルコウは道路横の草地、放棄畑、河原などに生育するが、最近、侵略的に繁茂することが目立ってきたように思う。梅林の林床を覆い尽くしたり、手入れの悪い果樹園を覆い尽くしたり、放棄畑を覆い尽くすのは朝飯前である。富栄養な土壌環境が繁茂に関係していることは間違いないが、熱帯系の植物なので、地球温暖化も要因の一つかもしれない。 |
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