ロングリーブ・グラスツリー Dracophyllum longifolium (ツツジ科 ドラコフィラム属
 ニュージーランド南島のMt. Cook 村(海抜900mほど)。ホテルの花壇にイネ科と思えるような葉の植物に花殻が付いていた。茶色の花殻を見ると、イネ科ではない事だけはすぐにわかった。トレッキングコースを歩き始めると、芽生えたばかりの若木から、数mほどに生長したものまでが点々と生育していた。標高が高くなると植物体も小さくなり、1mほどの株となって花を咲かせている。花や葉を観察してみるが、何科か見当が付かなかった。

 帰って調べてみると、現地語ではInaka(田舎?)、英語名ではLong-leaved Grass Tree。エパクリス科 Epacridaceae とあるサイトもあったが、2002年にツツジ科に統合されたとのことであった。遺伝子的な解析の上での科の統合ということなので、この植物がツツジに近縁であるということになる。花の形からは、ツツジ科としてどうにか納得するとして、葉の形はツツジ科としては納得しにくい。

 Long-leaved Grass TreeのGrassは「草、牧草、芝」と訳されるが、厳密にはイネ科などの葉の細長い草を指す。イネ科の長い葉の木という訳になる。葉は生育環境によって変化しやすいが、単子葉の特徴を持つ種が多いことには、何らかの共通した環境や理由があるのでは、と思ってみるのだが・・・・・・・・・。
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