フデリンドウ Gentiana zollingeri  リンドウ科 リンドウ属
 4月の終わり、ため池の堰堤、天端のわだちの縁に小さな青い花が見えた。丁寧に草刈が行われている様子で、草丈が低く、小さなリンドウが生育可能な環境が提供されている。花冠は長さ2cmほどしかない。これに隠れている葉はさらに小さく、長さは1cmもない。花に隠れて葉を写すことが難しいほどである。

 こんな小さなリンドウを見ていると、湿原に咲くタテヤマリンドウを思い出す。高層湿原では日照が確保されるであろうが、平地の堰堤では日照の保証は簡単ではなかろう。越年草なので、秋に芽生えて生長し、春に開花するというライフサイクルとなる。生育地である堰堤は、枯れ草が見当たらなかった。秋の草刈で刈り取った草が取り除かれていることがわかる。秋から冬にかけての状態がフデリンドウ生育のポイントである。
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