エゾコザクラ Primula cuneifolia var. cuneifolia  (サクラソウ科 サクラソウ属
 エゾコザクラは日本では北海道にのみ見られるが、国外では千島、オホーツク海沿岸、アラスカからカナダまで分布する、小形の多年生草本。本州に見られるハクサンコザクラに比べてひと回り小さな可憐な植物である。森林限界より上部に見られ、雪田や湿性草原中に群生する。大雪山では高山帯全域に広く分布する。草丈は10センチ程度で、根際に10枚前後のへら形の葉を叢生する。花期は6月下旬から8月中旬で、花茎を伸ばし、その先に2センチ程度の紅紫色の花を1〜6個、散形状に咲かせる。今回訪れた時期はまだ咲き初めであり、草原に点々と咲く姿を見かける程度であったが、サクラソウ属の特徴とも言える紅紫色の花は新緑の草原に映えて、ひときは人目を引いていた。
エゾコザクラエゾコザクラ
エゾコザクラの花エゾコザクラの生育環境

(画像・文章:森定 伸)
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