ヒナザクラ Primula nipponica Yatabe ( サクラソウ科 サクラソウ属 ) |
ヒナザクラは多雪地の亜高山帯に生える多年草。東北地方の雪田や湿原、湿った草地に生え、雪解けの進んだ初夏の雪田で可憐な花をひそやかに咲かせる。 葉は10枚くらいが根生し、やわらかく無毛で、縁に浅めの鋸歯がある。初夏に細い花茎を伸ばして2個から10個くらいの花をつける。花は白色で中央が黄色い。直径は1cmくらいで、サクラソウの仲間としては小ぶりであり、雛桜の名前のイメージとよく合っている。サクラソウの仲間の花は、異型花柱性という性質をもっていることが知られている。ヒナザクラの花もよく見てみると、雌しべの長いものと短いものがあった。 |
文章・画像:太田 謙 |