ヤイトバナ(ヘクソカズラ) Paederia scandens Meriill (アカネ科 ヤイトバナ属) |
ヤイトバナは日本全土、東アジアに広く分布する多年草。和名はヤイトバナの他に、ヘクソカズラ・サオトメバナなどの異名があり、標準和名をしのいでヘクソカズラの方が、有名ではないかと思う。しかしヘクソカズラとは、なんともものすごい名前を頂いたものであるが、臭いをかげば納得せざるを得ない。葉を揉むと独特の臭気がする。臭いの強さは季節によって異なり、秋になるとあまり気にならなくなる。ヤイトバナは、花の中心部の色がお灸の跡に似ているからとのこと。サオトメバナ(サオトメカズラ)は、花を並べて早乙女が田植えをしている姿に例えたものという。臭いは別として、花は思いのほか可憐なので、遊びに使われたのであろう。果実は光沢のある球形で、茶花としても用いられるが、そのときの名前はもちろんサオトメバナである。 やせ地・乾燥地・湿地・草原から森林までなど、非常に生育環境は広く、かく乱された場所であればどこにでも出てくる植物である。 |