ツルアリドウシ Mitchella undulata (アカネ科 ツルアリドウシ属
 ツルアリドウシは、温暖な低地では6月はじめ頃から、ブナ帯では7月はじめ頃に茎の先端に白い小さな花を2つ咲かせる。花筒の先端は4つに分かれ、長さが10mm程度しかない小さな花なのでわかりにくいが、内側には白い毛が密生している。花には2型があり、雌しべが長く伸びて雄しべが短いもの(長花柱花)と、雄しべが長く伸びて雌しべがほとんど見えないもの(短花柱花)がある(中間もある?)。
 花は2つがセットで咲くが、果実は1つしかできない。果実の頭をみると、花の跡である穴が2つみえる。2つの果が合一しているのである。果実は赤く熟す。夏に見られ、茎の中程に付いていることが多いので、熟すには1年を要するのではないかと思う。赤く熟した美しい果実の中には4つの核があり、その中に1つの種子がある。
 アカネ科の植物の花冠は、先端が3・4・5に分かれて多様であるが、4つに分かれるものが多いようである。ツルアリドウシの花は、オオフタバムグラなどとよく似ているが、内側に毛を密生している姿はヘクソカズラともよく似ている。

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