フラサバソウはヨーロッパ、アフリカ原産の帰化植物である。最初、長崎で採取され、ヨーロッパのものと同じであることを始めて報告したFranchet と Savatier を記念し、フランチェット・サバチェルの両氏の名前を略してフラサバ草と名付けられたという。このご両人は日本の植物に関し、多くの新種を記載しており、学名の命名者名としてお馴染みである。 花は小さくて薄い青色を帯びている。全体に長い毛が多く、果実の形が異なるのでイヌノフグリ等とは区別できる。 長崎では普通に見られるそうであるが、本州や北海道ではあまり見られないと言う。岡山県では沿岸域で時折採集されている。理大の構内を歩いていると、小さな花を咲かせているVeronica が目に付いた。イヌノフグリかと思って近寄ってみると、毛が多く、フラサバソウであった。ソメイヨシノの根元にキュウリグサなどとともに生育していた。日当たりが良く、乾燥しやすい場所であった。今年(2003年)は、昨年に比べて大学構内では急増している。 |