ヒメトウテイラン Pseudolysimachion incanum (ゴマノハグサ科 ルリトラノオ属
 モンゴルのフスタンヌール自然保護区で、ルリトラノオの仲間の花を見ることができた。9月1日のことであるので、当地は既に秋の気配。どうにか咲き残ってくれていた。モンゴルのサイトで調べてみるとVeronica incana であると表示されている。研究者によってはクワガタソウ属にも分類されている。分類に関しては素人なのではあるが、イヌノフグリというよりはルリトラノオにそっくりなので、こちらに属すこととして掲載した。匍匐する茎によっても広がり、点々と群落を形成している。
 モンゴルでは全域に分布するとされており、ヨーロッパ北部から樺太まで、そして北アメリカにも分布する。周極分布ということになる。和名は姫洞庭藍であり、日本では海岸に隔離分布するトウテイランの小型版ということになる。花の色はモンゴルの青であり、美しい。葉は綿毛に覆われ、灰色である。海岸に生育するトウテイランとの共通の性質であり、砂漠と海岸という、見かけ上大きく異なる環境の共通性が見える。
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