トマト Lycopersicon esculentumナス科 トマト属)



 トマトは中南米が原産である。熱帯地方のメキシコ・ペルーが原産地であるという説とアンデス山地が原産地であるという説がある。おそらくいくつかの種が交配されて現在のトマトが作出されたのであろうから、厳密な意味での古里を論じてもあまり意味はないのであろうが、栽培してみると気温が上昇しないと結実しない点や秋に稔った果実が熟れることなく青いままであったり、温室で加温すれば多年生で木になったりするところを見れば、熱帯に生育する植物の性格が強い。
 トマトとジャガイモとナスビが同じ仲間とは考えにくいですが、花を見れば、なるほど同じ仲間です。
トマトトマト
トマト

トマトの伝来−トマトケチャップはいつできた?−

 ソースといえば、代表はウスターソースであり、主原料はトマト。トマトケチャップ、イタリアンスパゲティー・・・これらは18世紀以降に産まれたものだったわけですね。コロンブスではないかもしれませんが、大航海時代にトマトの原種が持ち帰られなければヨーロッパの料理はどうなっていたでしょう?

トマトが赤くなると医者が青くなる
 古い欧米の諺だそうです。カロリーは少ないようですが、ミネラルやビタミンを豊富に含んでいます。1こ分で1日の必要量の、ビタミンAは1/10、ビタミンBは1/10、ビタミンCは1/1がまかなえるそうです。最近はベータカロチンの一種であるリコピンが話題になっています。リコピンが動脈硬化を予防したりガンを予防する効果があるとのことからです。リコピンの名は属名である Lycopersicon に由来します。

トマトはフレッシュな土地が好き
 トマトは連作を嫌います。連作障害が発生しやすい植物の1つです。家庭菜園で作る場合には、毎年作る場所を変えるほうが良く育ちます。しかし同じ仲間(ジャガイモ、ピーマン、ナスビなど)の間で入れ替えても意味はないですよ。家庭菜園とはいっても結構な広さが必要になってしまいます。

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