オオバアサガラ Pterostyrax hispida (エゴノキ科 アサガラ属
 オオバアサガラの当年枝は緑色でほぼ無毛。次の年にはエゴノキと同様に薄く糸状に樹皮がはげる。葉は整った長蛇円形で先端は尾状に尖る。葉柄はんが差5〜22mmで無毛。枝の太さとほぼ同じかやや太い。葉質は柔らかで、長さ10〜20cm。時として勢いの良い葉は30cm近くにもなる。裏面は灰緑色で、微細な星状毛があるが、見た目では無毛のように見える。葉の縁は狭く内巻きし、不明瞭な鋸歯がある。鋸歯の先端は微突端。主脈や側脈だけでなく、さらに分かれた側脈も裏面に浮き出しており、葉脈が目立つ。隆起した葉脈は、最小限の資材で大きな葉を支えるにに役立っている。
 梅雨のさなかの晴天、渓流沿いに生育しているオオバアサガラの葉が風もないのに裏返っている。強い日照によって一部の葉が水分欠乏状態に陥ったらしい。新しい葉を展開して根と葉のバランスが崩れている季節ではあるが、なんとも情けない姿。渓流のそばに生育しており、水は十分あるはずであるが、よほど表面からの水分の通発をコントロールする力が低い植物なのであろう。


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