ヒシモドキの成育状況
岡山県自然保護センターのヒシモドキ群落(岡山県自然保護センター;2001/08/13)

絶滅危惧種の大繁茂
 2001年の夏、岡山県自然保護センターでは絶滅が危惧されているヒシモドキが大繁殖した。上流部の放棄水田として維持している場所に播種したものが、ここにやってきたものであるという。岡山県では数カ所でしか生育が確認されていない種であるが、なんともすざましい程の繁茂の状況である。条件さえ整えば、実は絶滅危惧種であっても強いのである。
 ヒシモドキは水中に根付いており、そこから立ち上がって水面に広がっている。水中でも葉を広げており、当初は水草として生育し、長くなると水面に茎・葉を展開するようである。湿原の下流部の池にも生育しているが、ほとんど開放花を付けていないので、このような中栄養から富栄養なため池や水田腋の水路などで繁茂していたものに違いない。

一年草の保護・保全
 このヒシモドキが群生している場所は、昨年はオニバスの群生地であった。昨年の夏に撮影した画像と見比べていただきたい(オニバスの1枚目の画像)。今年もオニバスは発芽はしたのであるが、ヌートリアの活動のためもあってか、今年は大きく生長するには至らなかった。一年草の保護保全はこのように変化が激しいので、環境を保全しても種の保護が可能とは限らない。気まぐれ者の一年草の保護・保全は頭の痛い問題である。



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