オトコエシ Patrinia villosa (オミナエシ科 オミナエシ属) |
オトコエシは日本全国から中国にかけて分布する多年生草本。山地の道端などに生育することが多い。根元から長いツル状の枝をだし、その先端に次年度の株を作る。従って、植生の貧弱な場所にのみ進出が可能であり、道路工事で形成された新しい切土法面などで、ある程度の期間、旺盛に繁茂している場合もある。しかし、やがては植生が回復するので、長い年月同じ場所に生育していることはない。放浪を宿命としており、種子には翼ができて風で散布される。植物体には毛が多く、嫌な匂いがあって、これは大型草食獣からの被食を免れるためかもしれない。 同じ属のオミナエシに比べて茎が太く、強い印象があるのでオトコエシと呼ばれる。根生葉や下部の茎葉は羽状に深裂するが、上部の茎葉は被針形。基本的に対生であり、花序も四角形。 |
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