クサギ Clerodendrum trichotomum Thunb.  (クマツヅラ科 クサギ属
 クサギは北海道から琉球、台湾・中国・朝鮮に分布する落葉性の低木。その名の通り、葉をもむと独特の臭気がする。山を歩いていても踏みつけるとすぐその存在が分かり、標本採取すると車の中が「アッ! だれだクサギを採ったのは!」と言うことになる。生の状態では耐えがたい臭気であるが、春の新芽はさらして灰汁抜きをするとおいしいという。食べることを考えたのはどんな人だろう・・・
 花や果実は葉の悪臭とはずいぶんと違い、おしゃれである。8月から10月の暑い季節、クサギは次々と花を咲かせる。萼が赤紫色であり、白色の花冠とコントラストをなしている。果実は秋に黒紫色に熟すが、5裂した赤紫色の萼が花弁のようで、面白い形になる。葉は三角形にちかく、基部は心形となって長い葉柄がある。表面は脈上に短毛(ほとんど目立たない)があり、裏面の脈上には毛がある。


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