ヒガンバナの生活史
 「彼岸花 葉は花を見ず、花は葉を見ず・・・・」 このような詩があったと思うのだが、下の方を思い出せない。葉っぱがある時には花が咲かず、花が咲くときには葉がありません。本当は一つのものなのに、お互いすれ違いで寂しいものです・・・といった意味の詩でした。このように、春から葉を落として休眠状態であったヒガンバナは、ちょうどお彼岸の中日(秋分の日;9月23日)の前頃からいきなり花を咲かせます。小生の画像フォルダーには、9月15日頃からの画像が多い。2011年の初確認は9月11日でした。これは、全国一斉なのでで、温度を感じているわけではないと思われる。土の中で休眠状態のヒガンバナがどのようにして秋分の日を知るのか、大変興味深い現象である。

 ヒガンバナが花を咲かせる秋分の日頃は、本来ならば夏草はまだ茂っており、人間が刈り取りなどの作業を行っていない場所では開花しても目立たない。しかしながら、このころは稲刈りのためにあぜ道などは刈り取られるし、ご先祖様が向こう岸までおいでになるお彼岸には、前もって田圃の周りを草刈りしてきれいにしておくのが昔からの習慣であるのでしょう。このような、昔からの伝統にヒガンバナの開花は、見事にマッチングしている。小生の住まいする赤磐市では、イネの穂が出て稔り始める頃、これよりも冷涼な山間地域では、ちょうど刈り取ってもらったのを見計らって、花を咲かせていることになるわけです。 
 撮影している画像を年と場所を無視して月日順に並べてみた。ほとんどもくろみ通り、の順番になった。同じ地域でもバラつきがあるのは確かだが、あまり場所や年によって違いがないということだろう。
9月19日:ツボミが大きく生長
 
9月21日:開き始めたものや開いたものがある
 
9月23日:秋分の日、たくさんの花が
 
10月9日:花が白くなり始める
 
10月13日:膨らんだ子房(種子はできない)
 
10月26日:花茎の根元から葉がでている
 
11月5日:冬の光を浴びて生長
 
1月1日:葉の長さは長くなった
 
1月1日:冬草との競争はない
 
4月13日:枯れ始めた葉
 
 ヒガンバナの球根は地表直下にあり、チューリップの球根と同じ大きさか、やや大きい。斜面に対して直角に埋まっている。断面はタマネギと同様にたくさんの葉が重なって栄養分を貯蔵し、球根を形成していることがわかる。茎は根の出ている濃い黄色の部分。
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