スイセン Narcissus tazetta var. chinensis (ヒガンバナ科 スイセン属) |
スイセンは地中海沿岸地方原産の多年草である。冬から早春にかけて開花し、花の少ない季節の花壇を彩っている。海岸近くの草地に生育し、観光名所となっているところもある。地中海沿岸からの伝播には長い年月が必要であったであろう。日本のスイセンは、原産地のものと若干違ったものとなっており、ニホンズイセンと呼ばれるものとなっている。 越前海岸や淡路島、房総半島の白浜などでは海岸の草地に群生している。このような群生は、元々の性質の他に、秋から春にかけて、競合する植物が少ない時期に生育する性質であるとともに、アルカロイドを含むので草食獣が食べにくいなどのことがあるのではないかと思うが詳細は知らない。 地下にラッキョウ型の球根があり、これで増殖する。晩秋に4〜6枚の葉を出し、茎をのばして花を咲かせる。花弁は6枚、花の中央部に副花冠がある。雄しべは6本で上下2段になっているというが、3本にしか見えない。雌しべの柱頭は3つに割れている。多くの品種が作出されている。 |