ヒカゲスゲ Carex lanceolata (カヤツリグサ科 スゲ属
 ヒカゲスゲは北海道から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。ヒカゲスゲの葉は細長く、幅1.5〜2mmで長さ15〜40cm。葉の先端部分はカールする特徴があり、本種の同定のキーポイントの1つである。山間のあぜ道などにもよく生育しているが、明るいコナラ林やアカマツ林にも生育している。このような細くて長い葉は自ら立ち上がることができない。したがってヒカゲスゲの葉は地面に広がることになるが、このような葉は急傾斜地で威力を発揮する。平坦な場所では落葉などに埋もれてしまい、他の植物との競争に負けるからである。急傾斜地では垂れ下がった葉は落ち葉に埋もれることもなく、効率よく光を得ることができる。枯れた葉の先端がカールするのは本種の大きな特徴。花は4月から6月に形成され、立ち上がる。

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