メアゼテンツキ Fimbristylis squarrosa var. esquarrosa (カヤツリグサ科 テンツキ属)
 メアゼテンツキは本州から九州、朝鮮・中国・ウスリー・オーストラリアに分布する一年草。田の畦、ため池の湖岸、干上がった池の底などに生育する。アオテンツキと同様にため池の水位が低下して底泥が出るようになると、群落を形成して発生する。芽生えると短い葉を出してすぐに花茎を形成する。生育期間が長いと高さ15cmほどになるが、高さ2cmほどの小さな状態でも花茎を出す。
 ため池の底泥は栄養分をたくさん含んでいるに違いない。水面より上になると、植物の生育には大変良好な環境であるはずである。ため池の底は、いつ水没するかわからない不安定な環境ではあるが、一時の良好な環境の中での生育に適応したライフサイクルである。アオテンツキとともに、典型的な湖岸に生育する小型カヤツリグサである。
メアゼテンツキメアゼテンツキ
メアゼテンツキの小穂メアゼテンツキの小穂
(フィールド画像は尾崎聡子提供 2002/08/29 岡山市牟佐前原池)
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