ミカヅキグサ Rhynchospora alba (カヤツリグサ科 ミカヅキグサ属
 ミカヅキグサは主に関東地方以東の高層湿原に成育する多年草であるが、中部・近畿・中国・九州などの湿原からも分布が確認されている。氷河時代に分布したものが、遺存的に歴史のある良好な湿原に分布しいるものと考えられる。冷温帯や亜寒帯の湿原には普通に生育し、ミズゴケが生育していない、泥炭が露出した場所によく生育する。温暖な地域に分布する場合には、砂礫質の土壌地に生育しており、湿原中心部の表水のある場所に生育する。
 高層湿原に生育しているミカヅキグサは草丈10〜20cm前後であることが多いが、温暖な地では50cm前五であることも多い。7月ころから花を咲かせるが、小穂が白色である点は他種との大きな区別点である。秋になると汚白色あるいは淡褐色になるが、それでも他種に比べれば明らかに白い。分花序は少数で、花茎は直立する傾向が高い。果実は倒卵形で長さ2〜2.5mm。色は淡褐色で、刺針は果実よりもやや長く、下向きにざらつく。


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