ミカヅキグサ属 Rhynchospora

 世界に約100種あり、熱帯から寒帯にまで分布する。沼沢地や湿原に生育する種が多く、湿原植生の重要な構成種である。


花序果実同定のキーポイント
イガクサ 温暖な地域に生育
花序はひとつの頭状花からなる
イヌノハナヒゲ 中国地方では、海抜400m前後より低い、温暖な地域に生育。
花茎は比較的強く、直立する傾向。
分花序は茎の上部に集まる。
果実は光沢がない
刺針には上向きの微細な突起
オオイヌノハナヒゲ 中国地方では、海抜400m付近より高い地域の湿原に生育。
花茎は比較的強く、直立する傾向。
分花序は花茎の上部に集まる。
果実は光沢があり、きれいな茶褐色。
刺針が目立つ。
刺針は平滑か、わずかに下向きにざらつく。
コイヌノハナヒゲ 広く分布し、湿原には普通。
花茎は細くて弱く、頭を下げる傾向が顕著。
分花序ははなれてつく。
果実は細い逆徳利型。
イトイヌノハナヒゲ 植物体は小さい。
分花序の小穂は少数で、花茎は分花序の場所でジグザグになる。
果実は丸く、ほぼ凸レンズ状
トラノハナヒゲ 海が見える沿岸部の湿地に生育。
花序はバラけた散房花序。
ミカヅキグサ 温帯から亜寒帯の高層湿原に生育するが、時として沿岸低地の湿原にも生育。
小穂は白色。果実が稔った秋でも汚白色。
果実もあまり茶色にならず、淡黄褐色。
ミヤマイヌノハナヒゲ
亜寒帯の湿原に生育。
植物体は小型
果実は細い逆徳利型(狭倒卵形)

 上記種のほかにミクリガヤがある。