ケチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (イネ科 チヂミザサ属
 ケチヂミザサは日本全国、地中海沿岸から中央アジア・インド北部・極東に広く分布する一年草。やや湿った林縁や明るい林内に生育する。茎は一年草にしては丈夫で、地面を這い枝分かれして節から発根して群落を形成する。葉は波打っており、短毛を密生し、上半分に長毛を散生する。葉を触ると長毛の部分でざらつく。葉鞘には開出毛が密生する。花は7月頃から咲き始め、花序は茎の先端に直立し、高さ6〜12cmで、花序の中軸には開出毛が多い。短い枝があり、その枝ごとに1〜数個の小穂が付くが、枝は短いので枝があるようには見えない。小穂には長い芒(ノゲ)があり、秋になるとこの芒に粘液が分泌され、衣服や動物の体に付着して種子が散布される。靴下に粘りつくとなかなか取れない、厄介な「引っ付き虫」である。
ケチヂミザサケチヂミザサケチヂミザサの花序
ケチヂミザサの果実;芒に透明な粘液があり、動物に付着する毛の多い葉鞘と節からの発根
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