ドワーフ・アイリス Iris pumila (アヤメ科 アヤメ属) |
小さなジャーマンアイリスが植えてあるな、と思っていたが、近隣の植物園のロックガーデンに「ナンキンアヤメ」と看板がかけてあったものと同じ種のようであった。そうなのか、ヨーロッパ東部の山岳地帯に生育するアヤメなのだなと、その小ささに極寒の地での生育に納得したしだい。和名に関しては、ニワゼキショウをナンキンアヤメとするサイトがあり、混乱を避けるためにドワーフ・アイリスとしておく。 英語名は pygmy iris or dwarf iris. 小人(小型)アイリスということになる。WIKIPEDIAでは、Iris pseudopumila と I. attica の自然雑種であるとのこと。調べてみると、どちらも背丈の低いアヤメで、その自然雑種も背が低いということ、両種とも分布域もよく似ており、類縁関係も近いのかもしれない。ドワーフアイリスは高さ10cmほどの葉の上にふさわしくないほどの大きな花を咲かせる。花色は白から黄色、紫まで多様であるとのこと。日本の気候の中では、すぐに夏草に埋もれて生育ができなくなるであろう。 ハナショウブやカキツバタなどを眺めてみると、いかにも日本! あるいは中国などの東アジア、と根拠無く思っていたが、実は Iris 属植物は、ヨーロッパから西アジアが分布の中心らしい。この仲間は全般的に有毒であり、大型草食獣に食べられないという立地での繁栄ということであった。 |
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