シバナ  Triglochin maritimum L.  ( シバナ科 シバナ属 )
 シバナは塩性の湿地に生える多年草。日本の北海道から九州に分布し、岡山県にも産する。塩湿地の開発により各地で生育数が減少し、絶滅が心配されている。世界中に広く分布し、内陸の塩湖にも生えるとされる。
 葉は細長くて長さ約30cm、質感は柔らかく、色はやや濃い緑色で断面は半円形。夏から秋ごろに花茎を伸ばして、穂状に多数の花をつける。
 シバナを漢字で書くと「塩場菜」であり、かつて塩田の周辺によく生え、若葉を菜として食べたことによるらしい。おそらく入浜式の塩田の周りに生えていたのだろうと思われるが、そもそも入浜式の塩田が大規模に開発されるのは遠浅の干潟があるような場所であり、もともとシバナの生育地だったのだろう。
文章・画像:太田 謙
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