ヒョウタンゴケ Funaria hygrometrica (ヒョウタンゴケ科 ヒョウタンゴケ属
 ヒョウタンゴケは世界に分布する蘚類で、焚き火の跡などによく群生する。植物体は小さく、茎の長さは1cmに満たないが、胞子体の柄と凾ヘよく目立つ。葉は茎の先端に集まって付き、ちょうど樹木の冬芽のような形になる。
 いつも通勤している堤防上の道路が拡幅されてスーパー堤防と言いたいほどの幅広いものになった。その道路脇に光ファイバーが敷設された未舗装地が残された。光ファイバーの敷設のために掘返された場所の色が黄金色に変色してきた。なんだろうと気になっていたが、調べてみるとヒョウタンゴケであった。焚き火や火災の跡の炭にヒョウタンゴケが発生するのは有名であるが、工事の跡にも群生することをはじめて知った。図鑑には裸地にも生育すると記されているので、わかりにくかっただけなのであろう。しかし、工事で掘り返すと必ずヒョウタンゴケが発生するわけではない。活性炭(木炭)上と有機物を含まない無機土壌上で発生することの共通性は、「清潔」なのかもしれない。
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