リュウキュウマツ Pinus luchuensis (マツ科 マツ属) |
トカラ列島以南の琉球に分布する。遠目に見た姿はクロマツにも似て、堂々たる姿。近寄って見ると枝先がなんだかおかしい。当年の枝にはたくさんの葉が付いているが、昨年の枝にはほとんど葉がついておらず、脱落している。そのために毛箒のような枝先になっているのであった。アカマツやクロマツは、葉を3年ほど使うと思うが、リュウキュウマツは強い日照条件の中で、葉を高い活性で短期間に消耗させる戦略なのであろう。ニ葉松であり、新芽は赤色を帯びてアカマツに良く似ている。葉の堅さも柔らかい。樹皮はクロマツのように厚くはないが、アカマツのようにはがれてしまうことはない。 公園木として植栽されている。海岸や崩壊跡地などにパイオニアとして生育する。沖縄では、以前はもっとあったと思うが、マツガレのためか、少なくなったと思う。奄美では森林の優占種となっている場合もあり、アカマツと同様に二次林の構成種としての性格が強い。 |
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沖縄のリュウキュウマツは本土のマツ枯病に遅れ、大きな被害となった。移植されて大きく生長していた小笠原のリュウキュウマツも壊滅的被害を受けたと聞く。奄美群島では、南西部の加計呂間島や奄美大島の南西部、瀬戸内町付近で最も被害が大きく、壊滅的な状況となっている(2012.12)。 奄美のリュウキュウマツがなくなってしまうかといえばそうでもなく、新しい法面や土砂崩れの復旧法面などでは、新たなリュウキュウマツが芽生えており、すぐには絶滅しそうにはない。 |