イチイ Taxus cuspidata (イチイ科 イチイ属
 イチイは北海道・本州・四国・九州、樺太・朝鮮・中国・シベリア東部などに分布する常緑高木。アララギ、オンコとも呼ばれる。イチイは高校生の頃、鉛筆を作るときの木だと教わった。良材であり、細工しやすいので、最高の木で「一位」と教わった記憶があるが、官位が高い人が持つ笏を作ったからであるそうな。とにかく細工しやすい良材らしい。中国地方では、広島県の比婆山以外に自然生えらしいイチイには出会った記憶がない。樹高は15-20mになるとのことであるが、ずんぐりとして枝を打ってオドロオドロしく、妖怪的な樹形である。樹高4〜5m以下の枝は下にたれ、かなりの積雪であることがわかる。比婆山のブナ林域、尾根筋に点々と生育するイチイは、群落を形成する状況ではなく、若木も見当たらない。相当な樹齢であると思われるが、これらも人為的に育成されたものである可能性はゼロではない。
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