コウヨウザン Cunninghemia lanceolata (スギ科 コウヨウザン属)
コウヨウザンは中国南部から台湾原産の常緑針葉樹。樹高30m、直径1m以上に成長する。和名はコウヨウザンであるが、漢字では広葉杉と書く。葉は長さ5cmほどで先端は鋭く尖っておりさわると痛い。茎に螺着しているが、斜めに伸びる枝では葉の根元が曲がり、ほぼ左右に広がって付くので対生に見える。葉の裏には白い2列の気孔線がある。
江戸時代の後期に渡来し、神社の境内などに植栽されていることが多い。スギのように天高く伸びる性質が宛て木として好まれたことや、中国を連想させるエキゾチックさに魅力があったのかもしれない。仏教との関係があるのかもしれないが、神社に多いことを見ると、日本が東南アジアに深い関心を持ていた時代の名残を連想させる。中国では重要な造林樹種である。