ブレクヌム・ペンナマリナ・アルピナ Blechnum penna-marina subsp. alpina
 クック村の Govanars bush 歩いていると美しいシダに出会った。第一印象では、ツルデンダの仲間か?と思ってしまった。少し下ると種名札が挿してあり、Alpine water fern Blechnum penna-marina と記してあった。英語名を訳せばアルプスミズシダということになろうか。学名で調べて見るとシシガシラ科であり、胞子葉などの形もなるほど!と思い至った。

 種名札に記載されている学名で画像検索すると、小葉の基部が広がって軸に付くタイプの画像がたくさん出てきた。そのような画像はシシガシラのイメージに近くなるが、どうもおかしい。Alpine water fern で検索して見ると、少し状況が違う。更に、ニュージーランドに限定して見ると、当然のことではあるがこの画像のタイプが主になる。どうやら、厳密には subsp. alpina という亜種とするのが正しいようである。基本種はチリなどの南米からオーストラリア、タスマニア、ニュージーランドなどの太平洋諸島に広く分布しており、本亜種はニュージーランドに分布している。裂片の基部が広がって流れて軸に付かない点が基本種との区別点ではないかと思う。葉の長さは10cmほど。

 Alpine water fern は名前の通り、標高の高い地域の湿潤地に生育するシダであるが、湿潤な山道の切り通しや水路の周辺などにも生育する。見ることはできなかったが、泥炭湿原にも生育するという。常緑のシダであり、姿も美しいことから、園芸的にも好まれているようで、検索では園芸関係サイトで引っかかることが多い。
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