ヒカゲヘゴ Cyathea lepifera (ヘゴ科 ヘゴ属) |
ヒカゲヘゴは高さ15mを超えることもあるそうで、ヘゴに比べて大きく生長できる。モリヘゴの別名もあり、高木として林冠を形成できるというニュアンスであろう。ヒカゲヘゴという陰湿な名称ではなく、サンサンと日光を浴びて空に向かって伸びていくモリヘゴのほうがふさわしい。奄美大島など、ヒカゲヘゴとヘゴが同時に生育している場所では、ヒカゲヘゴが天空を覆い、ヘゴはその下層に位置している。 葉は長さ2〜3mになり、2回羽状複葉。中段の葉の拡大は、小葉に相当する部分の拡大である。葉柄は白〜淡褐色の長い毛状の鱗片に覆われており、棘はない。葉は離層を作って脱落し、跡は逆八の字の導管列があって面白い。伸長期の幹では葉と葉の間隔が広いが、充実すると間隔は狭くなる。どのような場合も幹の先端には密に葉が付いているので、伸長期の間隔が広いのは、葉が脱落した後に伸びるのかもしれないと思ってみたりするが、観察の結果ではない。 |