カニクサ Lygodium japonicum (フサシダ科 カニクサ属)
 カニクサはツル性のシダ植物。名前はこのツルでカニ釣りをしたからというが、小生は異名のツルシノブという別名の方が好きである。ツルは丈夫で、駕籠を編む際の結び目などに使用したりする。道端や段々畑の石垣などでよく見られ、舗装道路の側溝とアスファルトの継ぎ目やコンクリート壁の水抜き穴から生えていたりする。潮風にも強いようである。寒冷な地方では夏緑性であるが、温暖な場所では常緑となる。
 葉の縁に胞子嚢を付けると、葉の幅が狭くなり、ちじれた感じになる。シノブと同じように、ミズゴケに植えてつり下げるとおもしろいかもしれないと試みてみたが、水分不足には弱く、移植は簡単ではない。道路の舗装の隙間から生えている状況を見ると、乾燥に強いのかと思いがちであるが、乾燥した舗装の下側は、安定した湿り気のある場所に違いない。

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