ノウルシ Euphorbia adenochlora Moor. et Decne. |
ノウルシは海岸や川辺の草地に生える多年生の早春植物。本州から九州・四国に分布する。比較的まれな植物であり、絶滅が心配される植物のひとつである。環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧II類(VU)“絶滅の危険が増大している種”とされている。岡山県においては、北部の湿地や海岸の砂地に僅かながら分布することが報告されている。 名は野漆である。野原に生え、茎を切ると出る乳液がかぶれをおこすためである。 ノウルシを5月初旬に見た場所に、1ヶ月後に再び訪れてみた。その場所は川辺の草地なため、すでにヨシが青々と茂っている状態だった。ヨシの下にノウルシの地上部がわずかながら残っていたが、葉はもうほとんど黄葉していた。ノウルシは早春植物であるため、すでに今年の活動を終えたようである。地下には太い根茎があり、次の春を待っている。 |
文章・画像:太田 謙 |