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 セイヨウタンポポ Taraxacum officinale  (キク科 タンポポ属
 セイヨウタンポポの穂は大きく、たくさんできて見事である。種子の色は灰褐色であり、色が濃い場合にはアカミタンポポと区別しにくいことがあるが、赤色を帯びていない。この点が最も確実なアカミタンポポとの区別点である。

 セイヨウタンポポは3nであって、単為生殖を行うが、時として正常な生殖を行っている可能性が指摘されている。つまり、3nなので正常な配偶子ができにくいのであるが、ほんのわずかな確率で正常な花粉あるいは胚珠が形成されることがあり、それによって在来種との遺伝子交配があり、雑種が形成されている。現在各地に広がっているセイヨウタンポポは、在来種との交配によって日本の気候・風土に適応した「日本型セイヨウタンポポ」になっているのではないか、という見解である。
 帰化生物の多くは侵入した直後は目立つものの、やがて消えてしまう。セイヨウタンポポの大繁殖は、日本の気候・風土に適した遺伝子を獲得した結果であると考えれば、理解しやすい。これらについてはDNAの解析などによって解明されつつある。
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