カイノキ(ランシンボク) Pistacia chinensis Bunge (ウルシ科 ランシンボク属
 カイノキの紅葉は、岡山県備前市の閑谷(しずたに)学校の楷の木が有名である。岡山県備前市の閑谷学校は、1668年に備前藩主池田光によって建設された学校であり、講堂は国宝に指定されている。校内に大正時代に孔子廟に生育していたものの種子を持ち帰り、植栽されたという2本のカイノキの大木があり、11月の中ごろには美しい紅葉を見せる。ちょうど紅葉した頃には「楷木祭」が開催され、夜間はライトアップされる。
 植栽された2本は雌であり、種子が稔らなかったが、その後雄木が導入され、最近は実を付けるようになったとのことである。その種子は県下の学校に配布され、ほとんどの教育施設にカイノキが見られるようになってきた。閑谷学校のカイノキの落葉は受験のお守りとのことで、持ち帰られるそうである。特にかぶれるとの話を聞かないので、かぶれないのかもしれない。
 2本のカイノキは、紅葉の色に違いがある。西側のものは見事な赤色に紅葉し、東側のものは黄色く紅葉してコントラストを見せている。各地に植栽されている子孫にも赤いものと黄色いものがある。
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