ルス ティフィナ Rhus typhina (ウルシ科 ウルシ属) |
ルス ティファナは北アメリカ北東部原産の落葉低木。崩積土地や法面、工事跡地などの荒地に生育する。紅葉が美しいためか、庭園にも植栽され、ヨーロッパにも広く導入されている。高さ10mになるとの記載もあるが、おそらく通常は5m程度までであろう。葉は長さ25cmから55cmなり、かなり大きな複葉である。小葉は細長く、長さ6〜11cm。葉の質は落葉樹にしては厚く、表面の色も濃い緑である。裏面は白緑色で、脈上に毛がある。複葉の中軸には開出する毛がある。花は5月から7月に開花し、果実は夏に赤く熟す。花序の長さは10〜20cmで、基部の幅は4〜6cm。赤紫色の毛が密生しており、日本のウルシ属とはおもむきが大きく異なる。若枝は淡褐色の毛が密生する。 法面に群生している状況を見ると、根発芽するのではないかと思っていたが、調べてみると「根から発芽する」との記載と「水平に発達する地下茎から発芽する」との記述があった。どちらかわからないが、どちらにしてもどんどん群落を拡大し、高さ数mまでは旺盛に生長するようである。英語名はStaghorn sumac(鹿のウルシ)。 |