クロガネモチ  Ilex rotunda Thunb.  (モチノキ科 モチノキ属
 クロガネモチは関東以西本州・四国・九州・琉球、台湾・朝鮮南部・中国の暖地に生育する常緑高木。葉は革質で楕円形。鋸歯がなく(全縁)、ライターなどであぶると少しして黒く変色する(死環)。新しい枝は紫色を帯び、稜がある。雌雄異株であり、雌株には赤い果実がたくさんつくので、庭園木や街路樹などに植栽されている。刈り込みにも良く耐えて幹以外からはよく萌芽する。庭木としては、もちろん雌株の方が価値が高い。花は5〜6月に咲き、淡い紫色。花弁は4〜6(7)枚であり、雌花の雄しべは退化して小さい。
 自然状態では、尾根筋や斜面上部などの比較的明るい場所に生育している。樹高も高木としてはあまり高くならないので、このような場所での生育に適しているのであろう。春の新芽時に昨年の葉をいっせいに落下させる。乾燥に強く、明るい場所を好む樹種である。


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