モチノキ Ilex integra (モチノキ科 モチノキ属
 モチノキの葉は革質で楕円形。先端はやや尖って、長さ4〜7cm。鋸歯はなく、全縁で両面無毛。枝は緑色で角張る。ライターであぶると死環ができて、黒変する。これといった特徴のない葉で、小さな個体は同定しにくい植物の1つである。大きく生長していると樹形などから判断しやすくなるが、時としてモッコクと区別しにくいことがあるが、モッコクは葉柄が赤味を帯びているのが普通であり、葉が枝の先端に集まる傾向がある点などがポイントであろう。

とりもち
 とりもちはモチノキやタラヨウの樹皮から作る。実にネバネバした物体で、昔は缶に入れて売っていた。樹皮を水につけて腐らせると、この飴色の粘液物質が残り、これを精製して製造するのだという。昔はこれで野鳥を捕獲していたが、現在は禁止猟法である。猟の仕方は、鳥かごによくさえずるおとりを入れておき、その駕籠の周辺に鳥もちを付けた止まり木を仕掛けておく。小鳥を飼う楽しみのためではあるが、求愛のさえずりを餌にした悲しい猟である。小鳥は手中にするのではなく、双眼鏡と耳で楽しみたい。


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