タカノツメ Evodiopanax innovans (Sieb. et Zucc.) Nakai (ウコギ科 タカノツメ属
 タカノツメは秋になると美しく黄葉し、秋の里山を彩っている。黄色に紅葉する樹木の中では、最も鮮やかな部類であると思う。タカノツメは最近目立つようになってきたように思う。マツガレによって形成された多数のギャップによって、大きく生長したものが増えたからではないかと思う。葉は毎年長く伸び上がる茎の頂端にまとまって付き、上からの光を受けるのに適した樹形である。

 右の画像は岡山県総社市の豪渓である。節理の発達した花崗岩の渓谷である。以前はアカマツが優占していたが、松枯れによって枯れてしまい、現在はコナラなどの落葉樹やアラカシが優勢になりつつある。タカノツメも目立ち、点々と美しい黄色の冠を見せている。たまたま、崖に生育しているタカノツメにだけ、夕日が当たっている瞬間にであった。夕日に映えるタカノツメは更に美しい。
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