カニンガムモクマオウ Casuarina cunninghamiana (モクマオウ科 モクマオウ属
カニンガムモクマオウ

 高知県の海水浴場にモクマオウが植栽されており、何の疑問も感じることなく、トクサバモクマオウであると判断してしまった。トクサバモクマオウとカニンガムモクマオウの違いが、撮影して帰った画像では図鑑に記載されている区別点で判断しずらかった事もあって、トクサバとしてしまった。琉球の樹木 (大川・林 2016)を見ていると、両者の区別点として「枝についている鱗片状の葉がカニンガムは4つ、トクサバでは3つの葉が見える」との記載があった。これならば、単純明快で撮影画像からでもわかるに違いないと撮りためた画像を見直してみた。

カニンガムモクマオウ Casuarina cunninghamianaカニンガムモクマオウ Casuarina cunninghamiana鱗片葉は4〜5枚が見える果実を稔らせた雌株の枝

 結果的には、これらの画像は以前トクサバモクマオウとして掲載していたもので、誤同定であった。カニンガムモクマオウはオーストラリア原産の常緑高木で、雌雄異株。この点は雌雄同株のトクサバとの違いで、カニンガムは果実がなる木とならない木があって果実を探して歩き回るということになるが、トクサバはどの木にも探せばどこかに果実が稔っている。

 緑色の枝に痕跡状に退化した鱗片葉が輪生しているが、カニンガムは7〜10枚の輪生(一度に4〜5枚が見える)、トクサバは6〜9枚が輪生(一度に3枚が見える)。この見え方は枝の太さにもよるわけで、太いとたくさん見える。カニンガムモクマオウの方が、緑色の枝状の葉が太くてしっかりしているように見え、トクサバモクマオウのほうが細くて長く、垂れ下がっている。果実が稔っていなくても区別できるので、このキーはありがたい。

 果実はたくさんの果実が集まっている集合果だそうで、裸子植物の球果にそっくり。この集合果の大きさが、トクサバは長さ13〜20mm、幅10〜12mmの楕円形、カニンガムは長さ幅ともに8〜10mmの球形。ということで物指しで計っておけば一目瞭然であったのだが、画像の中に楕円形の集合果が写っていたのがエラーの始まりであった。

果実の直径は1cmほどで球形カニンガムモクマオウの樹皮
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