ゴゼンタチバナ Chamaepericlymenum canadense (ミズキ科 ゴゼンタチバナ属) |
ゴゼンタチバナは本州中部以北・北海道に分布し、奈良県・愛媛県などに隔離分布している。朝鮮からウスリー、北アメリカにも分布する。亜高山帯の針葉樹林に生育し、マイヅルソウやイワカガミなどとともに登山道沿いなどでもよくお目にかかる植物の一つである。茎の高さは20cmが最大と記されている図鑑があるが、小生はそのような大きなものはみたことがない。通常は5cmを少し越える程度ではなかろうかと思う。花の咲かない茎は4枚の葉が輪生しているようにみえ、花を咲かせる茎は6枚の葉があるように見える。 何科の植物か・・・と調べてみると、ミズキ科であった。草本のミズキ科植物という認識がなかったので意外であったが、花の構造を見るとなるほどと納得した。脈が明瞭な葉もミズキの葉と共通性がある。花弁のように見えるのは、ヤマボウシと同様に総苞片であり、中心に小さな花がたくさん集まって付いている。拡大してみると、花弁は4枚、雄しべも4本、雌しべは黒紫色であることがわかる。 和名が印象的であるが、加賀白山の最高峰の名前が「御前」、赤い実が稔るのでカラタチバナに例え「タチバナ」であるという。 |