クモノスバンダイソウ(マキギヌ) Sempervivum arachnoideum 
 昔(小学生の頃)、サボテンの栽培に凝っていたことがあるので、巻絹(マキギヌ)とか、蜘蛛の巣万代草(クモノスバンダイソウ)と名の付く多肉植物は知っていたし、栽培したこともある。サボテンと同列に並べられていたので、灼熱の砂漠に生育する植物であると思っていた。スイスの高山で出会うとは思ってもいなかったのである。
 スイスの気候は地域によって大きく異なるようで、北部は海洋性気候、南部は地中海性気候であるとのこと。年降水量も場所によって大きく異なっており、520mmの場所もあれば、4000mmの場所もあるそうだ。冷涼な地域=湿潤というイメージがあるが、考えてみれば冷涼・乾燥という組み合わせもあるわけであり、すくなくともそのような場所は存在する。岩礫の急傾斜地、特に南向き斜面ではそのような環境にあるのであろう。3100mの高山まで生育する。
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